万里の果てに

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あー、転んじゃった がんばれ がんばれ

 今さらですが、ダ・ヴィンチのA.B.C-Z特集が載っている2018年5月号を購入して読みました。

ダ・ヴィンチ 2018年5月号

ダ・ヴィンチ 2018年5月号

 

 

戸塚くんの「ジョーダンバットが鳴っている」書籍刊行記念として特集が組まれた号です。webの特別編も併せて読みました。

 

ジョーダンバットのほうの感想もまだちゃんと書いていなかったのですが、この特集がなんだかもう泣けて泣けてしょうがなかったのでどこかに吐き出さずにいられなくってしまいました。

 

☆☆☆☆☆

 

私が戸塚くんのことをちゃんと認識したのは、このダ・ヴィンチの連載がきっかけだった。星野源目当てで買った号の「ジョーダンバットが鳴っている2」、これは書籍化のあとの復活連載のときだったわけだけど、その回の内容がけっこう、いやだいぶ、ヘヴィだった。こんなことを、ファン向けのブログとかでなく雑誌の連載で!!??と衝撃を受けた。あまりに赤裸々で、読んでいてこちらもちょっと辛くなるような。でも、筆者(戸塚くん)が既にそれを乗り越えているのが文章からわかったからちゃんと救われたし、なぜ乗り越えられたかというとそれは「メンバーがいたから」というのがまたグッと来た。

 

書籍「ジョーダンバットが鳴っている」を購入する前に、2013年のMyojoの一万字インタビューを5人分揃えて読んだ。*1Jr.時代やデビューまでの苦労、河合くんの怪我のこととかを一切知らなかったので興味深く読んだのだけど、戸塚くんのインタビューは若干歯切れが悪いように感じた。このあと私は「坊主事件」とか「Mステ事件」を検索し、何があったかを知った。

 

「ジョーダンバットが鳴っている」では、この坊主のことやMステのことについて、自分の言葉で誠実に綴っていた。どうしてそういう行動に至ったか、メンバーやスタッフの反応、ファンの反応、スタッフの対応、そして河合くんはじめメンバーへの謝罪とやりとり。あまり思い出したくないことだろうに、でもそれをジャニウェブのブログとかでなくあの場でしっかりと残すところに、戸塚くんの本気を感じた。いや、ブログで謝るのならもっと簡単だったと思うんだよ。でもすぐにそれをしなかったのは私は良かったんじゃないかと思っている。*2

※ちなみに個人的には、Mステ事件って大事件のように扱われてるけど、そこまで責められるようなことでもないと思うんだけどね・・・やる気なかったとかならともかく、やる気マンマンだったのは目に見えたわけだし、ふざけてああいうことする人じゃないのはわかるし。スタッフがダメだと思ったら事前に止めればよかったのであって、後からやっぱり評判悪かったから叱るってのは、うーん。

 

 

戸塚くんは連載の中で、こうした自分の中の複雑な気持ちや葛藤、先輩や仲間たちとの交流や仕事のことをとにかく真っ直ぐに書いてみせてくれていた。大部分は内面的なことで、戸塚くんにしかわからないこと。それをしっかりと言語化すること、ましてダ・ヴィンチという本好きが読む雑誌に掲載するに耐えうる文章にしていくのは、(本文の中にもあるけれど)相当大変なことだっただろう。でもそれを可能にしたのは紛れもなく、戸塚くんの真っ直ぐで強い想い。それがあったから、編集さんもとことん付き合ってくれたのだと思う。あんなに込み入ったごくごく個人的な内容にも関わらず、そのときに戸塚くんが考えていたことや、文中に出てくるご家族やA.B.C-Zのメンバーや錦織さんやイノッチや藪くんやお仕事で関わったたくさんの人たちがとっても素敵な人たちだっていうこと、それによって戸塚くんがどう変わったかが、きちんとこちら側に届く。そういう「届ける力」のある文章だと思う。

 戸塚くんは、時間がかかっても「自分の言葉」で伝えたい人なんだろう。これは決して「インタビューが悪い」という意味ではないし、戸塚くんがそれを自覚しているか無自覚なのかもわからない。最近のとつブロを見るに、ようやく自覚してきたんじゃないでしょうか。

 

巻末に掲載されている小説「光」の主人公には、どうしたって戸塚くん自身、そしてA.B.C-Zを重ねずには読めない。

あー、転んじゃった がんばれ がんばれ

手を貸すのでもなく、見ないふりをするのでもなく、「がんばれ がんばれ」。言葉がとても、あたたかい。

 

☆ 

 

書籍には、メンバー4人に戸塚くんが選んだ本を渡して、それを読んだ感想などをインタビューしたものが掲載されている。

冒頭で触れた2018年5月号のダ・ヴィンチでは、そのインタビューを見た戸塚くんが更にそのことについて「アンサーインタビュー」という形でレスポンスしている。

この一連のやりとりがまた、幸福感に溢れていて・・・なんだか知らないけど泣けてしまうんである。

オススメした本をそれぞれが読んで(はっしーはちゃんと読んでないけどw)の感想が、戸塚くんが意図したところを(戸塚くんが思っていた以上に)しっかり受け止めている。どうやら戸塚くんは渡すときにちょっとしたメモをつけたようなんだけど、五関様には手違いで?届いておらず。にも関わらず、伝わってるんだよ・・・・・・。はっしーなんてちゃんと読んでないのに読み取っているという謎の現象が発生している。塚ちゃんも河合くんもそれぞれ、「同じグループのメンバー」という物理的にめちゃめちゃ近しい間柄のお互いが、あえて一冊の本を介して理解を深めてる様子が、これ、エモすぎません???近しいからこそ面と向かっては言えないことを、こういう形なら伝えられたりするし、素直に受け取れたりする。そのやりとりを紙面で見せてもらえるなんて、贅沢すぎる。

  

 

そしてこのダ・ヴィンチでは、メンバーそれぞれがお仕事で関わった方と対談させてもらっている。

 

五関くんは、上川隆也さんと。上川さんが五関くんのこと「晃一」って呼ぶっていうだけですごい破壊力なんですけど・・・!!上川さんの声で再生される「晃一」最高すぎて悶絶。(脳内で勝手に再生しただけである)

初めて一人で外部舞台に出たときの座長が上川さん。ああいうお仕事って、最低限が「100」で、スタートの時点で100を求められると思うんだけど、その「100」をしっかりキープしてくる五関くんのことを

口にはせずとも感心していました

“しなきゃ”と”できる”は別ですから

 と評価してくれているというのが、同じくあまり口に出さないタイプの五関くんにとってはまたうれしかったんじゃないかな。そしてインタビューのオチがすげー五関様でした。ちゃんと連絡先交換しました?

 

河合くんは、舞台「コインロッカー・ベイビーズ」演出の木村信司さんと。

河合くんは誰よりもアイドルでありたくて、河合くんの理想とするアイドル像があって、だからきっと私たちは(ミステリアスとか言われている五関くんのこととか以上に)河合くんの本心を知らないんだと思う。口に出すときは自虐や茶化されているし。

アイドル河合郁人は、河合くんがそうありたいならそれでいいんだけど、役者河合郁人としては、「恩師」と呼べる人に出会えて殻を破れたことは本当にプラスでしかないと思う。しかも「恩師だ」って、自分が思ってもそれを本人に伝えるのはまた勇気の要ることだと思うんだけど、それを面と向かって言えた(またちょっと「お父さん」とかって茶化してたけど)というのが、木村さんのちょっと照れたような「何言ってんだ(笑)。」が、素敵。

 

塚ちゃんは、南海キャンディーズ山里亮太さんと。山ちゃんのラジオも聞いてる側からの目線で言うと、本人のツイートどおり

 まさに「兄貴風吹かせてんなwww」なんだけども、塚ちゃんがまず「見つかった」ところにいて、その後もレギュラーで共演している、こんなにA.B.C-Zのことを買ってくれてる兄貴分がいるというのは本当に心強いしありがたい。山ちゃんのようなツッコミがいると、えびのおもしろさがわかるんだよね・・・。山ちゃんの著書「天才はあきらめた」は、えびみんな読んでほしい。

 

橋本くんは、片岡愛之助さんと。A.B.C.に後から加入してしかもセンターになった橋本くんと、梨園に生まれたんじゃないのに歌舞伎役者になった愛之助さん。伝統芸能というどえらい世界で、想像もつかないほどの重圧や壁を乗り越えてきたであろう愛之助さんの

前へ前へとがむしゃらになるだけが“背負う”ことじゃない

引っ込んでいても正面から見ればセンター

の言葉は凄いな。こういう言葉を引き出す、人たらしはしちゃん。。。

 

戸塚くんはドラマ「この声をきみに」脚本の大森美香さんと。

あのドラマ、大森さんの推薦で戸塚くんが出てたんだ!家族が好きで観ていて、私もそれを横でちょっと観ていたはずなのに、あの青年が戸塚くんだとは気付いていなくて。なんならジャニーズだとも思わず観てたんだけど、大森さんは「当て書き」をするというのを読んで、だからかな?とちょっとだけ合点がいったような。

戸塚くんの「欠落している」部分をおもしろがってくれる大人の人たちと、もっともっとたくさん仕事ができるといいなと思った。

 

 

この企画のクライマックスに載っているのは、アルコ&ピースとニューヨークによる座談会。放送がない地域なのでちゃんずーはちゃんと観たことがないんだけど、この座談会はもう、平子さんの

 

こんな気軽に話しかけられないくらいになってほしい

 

これに尽きるでしょう。 一緒にバラエティー仕事をしてくれてる芸人さんが誰よりもA.B.C-Zが「ジャニーズ」で「アイドル」であることを望んでくれているという。個人個人のこともすごく愛をもって語ってくれていて*3本当にありがてぇ。そしてこのありがたがるファンにも「優しすぎる」って釘をさしてくれてるっていう。

ファンとアイドルとの関係は本当に難しい。。。これについて書き始めるとこれだけで一本別の記事になるくらい書けそうなのでそれはまた別の機会に。

 

 

ボリュームだけじゃなく中身もめちゃくちゃに充実した特集で、しかもドル誌じゃないのにここまで・・・。いや、ドル誌じゃないからこそ、この内容なんだよな。

それもこれも、戸塚くんが連載を頑張ってきた結果だし、個人仕事をこういう形でグループに還元できるなんて最高だなと思う。

 

☆☆☆☆☆

 

とつブロで「言語活動をやめない」と言っていた戸塚くん。そういうこと書かれると、「やめろ」って言われてるの?とか邪推してしまうけど、止めないでほしい。やめないで、とめないでほしい。面倒くさい戸塚くんが好きだよ!そういう戸塚くんを、応援したいと思います。

 

あー、転んじゃった がんばれ がんばれ

 

 

*1:2013年7~11月号

*2:スマファンは数年後に「あの時」の答え合わせをされるのに慣れているっていうのもある

*3:「この世のすべてのエモーショナルが集まって人間になったのが五関」など