万里の果てに

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現実と夢はいつもごちゃまぜ /舞台「スケリグ」配信感想

舞台「スケリグ」開幕、おめでとうございます!!

 

skellig.jp

 

 

浜中文一くんが主演を務める舞台「スケリグ」が、7/31に初日を迎えました。

私が文一くんに(勝手に)出会ってしまってから初の、文一くんの舞台。*1

5月の時点では、夏になれば多少落ち着いているのではないか、日帰りで舞台を観るだけですぐ帰ってくるくらいなら大丈夫かも、あるいは地方公演に足を伸ばすという手も…などと考えていましたが、現実はそう甘くなかった。たしかに一旦は少し落ち着いてきたように思えましたが、その後の状況はとてもじゃないけど「東京に観劇に行ってくる」とは言い出せないもので。

(実際、地元のあたりでは東京に観光に行ってきた人が発症した事案があった。し、その後の個人特定や誹謗中傷の流れが恐ろしかった)

更に、地方公演はどんどんと中止が発表され、東京公演も一部中止という事態に。

自分も、仕事上無茶はできない。と、今回は諦めるしかないと思っていました。

 

 

ところが、初日を2日後に控えた7/29、公式Twitterで突然の告知が。

 

 

まさかの、配信!!!!!

速攻でスカパーオンデマンドに登録してチケットを購入。しかも追っかけ再生もできるし、生配信から2日後まではアーカイブも残るという。ありがたすぎる…*2

(決してなにわの日ドリアイのあれこれを根に持ってるわけではありません)*3

 

 

1回目は生配信の時間にちょっと暗くしてスマホでヘッドフォンで(ただしどうしてもちょいちょい離席しなければならず通して観れなかった)、2回目は自宅で昼にTVで、3回目は自宅で夜に部屋を暗くして、原作本と照らし合わせながら観ました。こういうことができるのも、配信ならでは。

 

 

 ☆☆☆

 

さて、以下まとまらない感想ですがちょこちょこネタバレ的な部分もあるのでご注意下さい。舞台とかほとんど観たことのない人間の感想です。

 

(あらすじ)
古い家に引っ越したマイケルは、荒れ庭のガレージの片隅で、ボロ雑巾のような「彼」を見つけた。ホコリと虫の死骸まみれの服、捻じ曲がった身体、その背中には奇妙なものが生えていた。彼の名前は「スケリグ」。
マイケルにはまだ赤ちゃんの妹がいる。でも重い病気で、パパとママは妹にかかりきり。マイケルは隣の家の女の子・ミナと一緒に、スケリグを助けようと秘密の活躍を始める。月明かりの中の冒険、廃墟に住むフクロウたち、小さな妹への想い、そして、とても不機嫌でとても不思議なスケリグのくれる奇跡――。無垢な心が見つめる生と死…、家族や友達との絆…、ファンタジックな世界から大切なものが伝わる、切なくてあたたかな救いのストーリー。(公式ホームページより) 

 

 

出演者は音楽の吉田能さんを入れても8人。それぞれ何役もこなし、ナレーションをみんなで入れていきます。時には楽器も演奏したり、セットを動かしたり。文一くんは裏で着替えながら赤ちゃんの声を出したりもしていたらしい。

役の台詞だけじゃなくナレーションで進められていく割合が結構高く、だからか、絵本のページをめくって読んでいるような感覚になりました。

 

高さと奥行きを出したセットとプロジェクションマッピング、影絵などを駆使した演出。世界観がぎゅっと詰め込まれていて、あのままミニチュアが欲しくなっちゃう。

そこに更に彩りを添える吉田能さんの生演奏による音楽が本当に素敵で!テーマ曲、弾きたい。サントラほしい。フクロウのシーン(「誓いを破ったら死んでもいい」のところ)の皆がそれぞれの言葉と音程を歌って組み合わせて曲になるやつ、ああいうの大好き~~

 

ミナが退場するときに木に吊るされているウィンドチャイムを鳴らしていったり、ひとつひとつの動作がかわいい。マイケル役の大東立樹くんは雑誌のインタビューで「声変わり中」と言っていて、確かに時折辛そうというか裏返ってしまったりしてるんだけど、それはそれでマイケルの必死な気持ちが感じられたなと思います。

子どもが思うよりずっと不安定な大人たちや、大人が思っているよりずっと複雑な子どもたちの描写はリアルで、でも全体を通してファンタジーであることはそのままで。ミナが、マイケルがスケリグを見たのは自分の夢かも、と不安になっているところに言う「そんなのどうってことないよ。夢と現実はいつもごちゃまぜなんだから」という台詞、これが原作を読んだときからずっと、舞台を観てなお、印象に残っています。

 

 

出演者の皆さんはマウスシールドをしているんですが、私は全然気にならずに観ました。フクロウの鳴きまねをするシーンでマイケルとミナがひょいっと目の高さまで上げたり、振り向きざまに戻したりする動作も自然で、それで現実に引き戻されるってことは(私は)なかったなあ。むしろその動作がかわいいと思ったw着けている方は大変だと思いますが…

あとはハグをするときにシーツを使って直接触れないようにしていたり、何気ない仕草でもひとつひとつしっかり考えられているのだな、と思いました。

 

 

原作を読んだとき、「当て書きかと思うくらい文一くんじゃん…」と思ったスケリグ。声色や顔つきがシーンを追うごとに少しずつ変化していく様にゾクゾクしました。マイケルとミナが「老人じゃない」と気付いたあたりで本当にキレイになって見えるんだよなぁ。

スケリグが何者なのかは観る人次第、と言うけれど…私は、もしかして死神なのかもしれないなと思いながら見ました。死神って、死を司ると考えたら、死んでしまう人を連れていくだけでなく、生きるべき人を生かしてくれるのかなあ、なんて。*4原作では猫のウィスパーもスケリグに懐いていたし。まあでも、違う日の公演を観たらまた違う感想を持つのでしょう。

 

文一くんは不動産屋、雪男先生、サッカーボールに赤ちゃん。赤ちゃん…ムキムキのポージングしてましたけれども。工藤広夢くん*5のミナも笑いました。あなたは危険なの!!

マクナボラ先生の総回診(についてくる医師役)もやってた。*6あと2羽目のフクロウ。死神先生のシルエットも。先にも書いたけど裏で赤ちゃんの泣き声とか楽器も鳴らしてるらしいし、、、タイミングかなり重要だと思うのに、よく着替えながらできるな…

 

少し影を入れてより長く見せている白い指、その指先ひとつ取っても美しかった。大東くんが雑誌のインタビューで文一くんの印象を「美」と言っていたけど、全面的に支持いたします。美だよ美。翼背負ってるし。皆一度はそれぞれの自担に背負ってほしいと思っているのではないか、翼。冒頭で羽が広がるシルエットも、実際にマイケルとミナがスケリグの羽を初めて見るシーンも、うろうろするスケリグも(かわいい)、そして圧巻のラストも、どこのシーンも美しかった。

 

 

☆☆☆

 

 

7月に入り、演劇や音楽公演が演者同士の距離を取ったり、可能な限りマスクなどを着用したりしながら少しずつ再開。それぞれが今できる形を模索している中、残念ながら対策が徹底されていなかった舞台公演でクラスターが発生したことで、風当たりがますます強くなってしまいました。

また、A.B.C-Z橋本良亮くん出演の朗読劇が、ジャニーズ所属タレントの中での先陣を切って始まり、行けないながらに毎日の公演が無事に終わることを祈る日々。実際会場でどのような対策が行われているかなどを、こちらの公式や行った人たちのレポで見ていました。

文一くんは自身のブログで、「普段はこういうことは言わないのだけど、皆が安心してくれるなら」と前置きして、スケリグチームがどれだけ感染症対策に力をいれているかを具体的に教えてくれました。マスクやフェイスシールドはもちろん、稽古場への移動にも気を遣い、消毒液も個人専用のものを使ったり、小物などの受け渡しを最小限にしたり。

一方で、その前日には「簡単に“ぜひ来て”とは言えない。無理はしないで」と更新していました。

私はその日の文一くんの「だーれも悪くないよ」という一言にボロボロ泣いて、でもそれでようやく、今回行かない決断をしたことを飲み込めました。

 

今回こうしてまさか配信という形で観ることができるなんて思っていなかったので本当に驚いて、そしてありがたかったです。配信だからこそ、細やかな表現、仕草や表情なんかをアップで見ることができてよかったです。(まあ、逆に「やっぱり生で観たい~~!!!」という気持ちも沸いてしまったけど。)

それでも、生ではないけど、文一くんのお芝居をしっかり観ることができて、嬉しかったです。

 

 

 

theatergirl.jp

浜中:僕個人としては、緊急事態宣言が出る直前まで、この紀伊國屋サザンシアターで舞台をさせてもらっていたんですが、中途半端に中止になってしまって。消化不良で終わってしまっていたんですが、また、このスケリグで紀伊國屋サザンシアターでできることが、僕はまだ芝居をしていていいんだなという風に感じてまして。それでも、こういった状況で観に来られる方は、すごく勇気がいると思うし。簡単にぜひ来てくださいとも言えない中で、来てくださる方々には本当に感謝しかないですね。なので、皆さんが変なストレスなく、安心してゆっくり観られるように、僕たちも精一杯やらせていただきます。(上記記事より抜粋)

 

 

「僕はまだ芝居をしていていいんだな」と感じたという文一くん。いやいや、むしろ芝居してなきゃだめでしょ浜中文一は!と、思う。

ていうかしていてくれないと困る。ド新規の私にもっともっと文一くんのお芝居を見せてください。いつかちゃんと、生で舞台を鑑賞できる日を、楽しみにしています。

 

まずは、この「スケリグ」が無事に千秋楽まで走り抜けられますように。

 

*1:2つ前の記事参照

*2:この記事を更新している時点でアーカイブ配信も終了しています

*3:突如開演前のアナウンスで文一くんが声のみ登場し、配信時エラー多発だったため急遽公開されたアーカイブには文一くんのアナウンスは残っていなかった事件

*4:伊坂幸太郎さんの「死神の精度」が頭にあるからかも。ここでは死神が人間の死を「可」か「見送り」か判断する

*5:宮城県出身ということで密かに注目しています。BACK BEATにも出てたし

*6:配信のときは「出前が届きました」と呼びに来て「マクナボラ先生の、お昼ごはんでぇ~す!」だったけど、別の日のレポでは「タンバリンがうるさいと苦情が来ています」「マクナボラ先生の、クレーム対応でぇ~す!」だったらしい。